Sunday, May 3, 2009

コンセルトヘボウとシモン・ボリバル・ユース

先日、コンセルトヘボウとドゥダメル指揮のシモン・ボリバル・ユースを続けて聴く機会に恵まれた。というか、超多忙を押して頑張って聴きに行った。それぞれ、パリとバルセロナまで(笑)。

その二つのオーケストラが両極端だったので、備忘録も兼ねて感想を。

パリで聴いたコンセルトヘボウはさすが老舗、名門といった感じで、落ち着いた演奏だった。指揮者は良く知らなかったし、ピアノのソリストもあまり知らなく、さらにその日のベートーベン8番に至っては、コンサート直前に軽く予習した程度で初めて聴く曲だったが、相変わらずの弦の美しさとまとめ方の上手さに感心した。

ただし、大昔にシャイー指揮のコンセルトヘボウを聴いたときの感動はなかった。これは私が贅沢になったのか、コンセルトヘボウの質が落ちたのか、指揮者がダメだったのか、たまたま調子が悪かったのかは分からないが、無難でとっても良かったけど、大きな感動はなかった。

それに対して、バルセロナで聴いたいま話題のドゥダメルは、彼の方針でロックコンサート的なクラシックコンサートをしたいらしく、強弱はっきり、元気いっぱい、音圧と音量で勝負、という感じだった。ものすごい人数のオーケストラで、あれだけの人数がごちゃっとステージにいて演奏すると圧巻。

その日のメインはチャイコフスキーの4番だったが、4番の第三楽章のピチカート部分では、Dudamelはほとんど指揮棒を振らず、ほぼ直立したままだったのは新鮮 だった。おそらくは視線で指示を送っていたのだと思われるが、客席からは全く見えず。でも、大人数のオーケストラの一体感はそのままで、よく訓練された良 いオーケストラだなという印象だった。しかし最終楽章は、予想通り走り過ぎでああああって感じで終わってしまった。

ちなみに、昨年末に来日した際のアンコールの様子↓だが、この2曲とも今回もアンコールで演奏し、ハチャメチャぶりを見せてくれた。ちなみに、アンコール前には、会場のあちこちから「マンボ!」というリクエストの声(笑)。さすが皆さん分かっていらっしゃるという感じだった。

http://www.youtube.com/watch?v=-Ynh79cAN1k

最後はもちろんほぼ全員がスタンディングオベーション。楽しいコンサートだったが、意外に空席が目立ち、即刻売り切れてebayで超高値で売り買いされていたらしいロンドン公演とはちょっと違う感じだったのではと思った。

なお、やはり勢い重視のオーケストラなので、テクニック的にはあれって思う部分もあり、ちょっと大げさだなーと思わせる解釈もあり、オーバースピードな部分が多々あり、このままのスタイルでずーっと続けられるかどうかは分からないといった印象。ともあれ、楽しそうに演奏していたのがこちらまで伝わる良いコンサートだった。

ということで、静と動、老舗と若手という対極のコンサートだった。個人的には、丁寧に感動的に、というのがおそらく好きなので、どちらももう一歩だったかな。ともあれ、おかげで仕事は溜まりまくったが、楽しんだ。

コンサートついでに行ったレストランなどの情報も、この連休中にまとめてしまおうと思う。

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