お店は気品溢れるいかにも京都らしい風情で、幅広いカウンターはバブル期は1,000万円もしたみたいですよ、というご自慢の(たしか)檜の一枚板。その裏側の足のあたるあたりに暖房が入っているのはきめ細やかな配慮だと感じた。
5,000円のランチコースをいただいたのだが、先付から椀物、焼き物、お造り、煮物と続き、最後に穴子ご飯で〆という構成だった。全体の感想は、どれもそつなく上品、かな。それほどすごいパンチがあるわけではなかったが、平均点が非常に高いお料理だった。ちなみに、一番好きだったのは、焼き物のお皿にのっていた鯖寿司だったかな。関西は鯖寿司をよく見るが、どれも生臭い気がしてあまり好きではない。特に柿の葉寿司はいまいちだと思うんだが、こちらの鯖寿司は脂のノリと味わいが絶妙のバランスだった。
接客は良い感じ。ちょっと強面のご主人もゲストにはにこやかに接していただき、心地よい時間を過ごすことができた。
ちなみにお店の場所は、祇園のど真ん中。花見小路を一力亭からずんずん奥に行き、ちょっと上り坂になったあたり。分かり易いとは言い難いが、良い場所だと思う。
ごちそうさま。再訪してみたいお店だと感じた。
にしかわ
075-525-1776
京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル河原町473
ただし、個人的にはやや残念なことがあった。一つは、このお店を楽しみにしていた父親が体調を崩し、当日早朝に京都市内の救急診療を受診し、母親を付き添いに早々に東京に帰ってしまったこと。いつかリベンジしないとね。
もう一つは、同席した人が、「美味しい」と言えないことが気になってしまったこと。この人は、「美味しい」ではなく「うまい」とおっしゃる方だったが、良いお店で「うまい」はどうなんだろう。お育ちというか品の悪さが出てしまっているように感じるのは私だけだろうか。少なくとも美しい日本語ではないと思う。
あと些細なことだが、「うまい」の人が新幹線の自由席で移動することにホコリをお持ちのようで、私や私の家族にはできないでしょう、と食事中に妙なイヤミを言ったこと。変なの。呆れて反論する気もおきなかったが、以前からも思っていたのだが、了見の狭い方だなと改めて思った。ま、飛行機でエコノミークラスに乗っているのに、ファーストクラスのトイレに行って飾ってあるお花を持ってきちゃうような人らしいので、気にしないことだな。
ともあれ、お店や料理の写真を何枚か撮らせていただいたので、そのうちいくつか。
まずは入り口。この路地を抜けてお店へ。如何にも京都らしいアプローチで、背筋を伸ばしてゆっくりと静かに歩くべきところだと感じた。
こちらは焼き物のお皿。ふきのとうの天ぷらもあり、左上に鯖寿司も。
穴子ご飯。京都産のお米がとっても美味しく、おかわりに白米とちりめん山椒をいただいたのだが、こちらもとても美味だった。ご主人が素材には絶対の自信を持っています、とおっしゃっていたのが分かるお皿だった。
蒸したてのわらび餅と抹茶のシャーベット。わらび餅も美味しかったのだが、抹茶のシャーベットが、抹茶アイスと違ってお茶の甘みや苦みをストレートに感じて、新しい感覚だった。
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