Friday, April 19, 2013

Munich Philharmonic Orchestra/Maazel

サントリーホールで、マゼール指揮のMunich Philharmonic Orchestraを聴いた。

演目はロミオとジュリエット、パガニーニのバイオリンコンチェルト、ストラヴィンスキーの春の祭典。

最初のロミオとジュリエットは、出だしはちょっとあれれって感じだったが、徐々に弦と管が合ってきて、最後は非常に美しかった。

2曲目のバイオリンソロは、あの天才を姉に持つ五嶋龍。彼の演奏は初めてだったが、テクニックが素晴らしい。音色はちょっと固い感じがしたが、私の座った座席のせいかもしれない。アンコールで超絶に難しそうなパガニーニのソロを弾いたが、これもテクニックをぐいぐいひけらかすタイプの曲で、せっかくなので情緒的な曲を聴いてみたかったなあ。

最後の春の祭典は、指揮のマゼールがなんと御年84歳!なので、どうだろうと思ったのだが、素晴らしかった。陰鬱な部分はかなりゆっくり目に演奏をし、早い部分とのメリハリもあり、音の洪水っぷりが半端無かった。このオケははじめてだったが、とても上手だと思った。

で、アンコールにビゼーのアルルの女。こちらはマゼールも演奏者も皆楽しそうに演奏しているのが印象的だった。

あぁ、よいコンサートだった。

マゼールの指揮を見たのは20歳代のロンドン以来。でもあのときの感動がよみがえる感じだった。彼の指揮は明快で的確、タクトが魔法の杖のように音をつむぎ出してくれると当時も感動したのだが、今回もそうだった。彼はもともと巨匠という風貌だったが、さらに凄みが加わったような感じだったなあ。しかし84歳とはすごい。いつまでもお元気でいていただきたいが、引退されるのも近いのではと思う。そう考えると、本当に貴重なコンサートに行くことができたと思う。

ちなみに、この日のコンサートはほぼ満席。拍手も非常に大きく、アンコールも終わって客席が明るくなり楽団員がほぼ引き上げたときに、ひょこひょことマゼールがご挨拶に出てきたところを見ると、おそらくとても満足されたコンサートだったのだろう。

そうそう、非常に人気のあった元首相が客席にいらした。あの白髪は目立つんだな。小学生らしい男の子と握手をし、何かをお話しされている姿は微笑ましかった。元首相だとSPとかが周りを固めていそうだが、お一人でふらっといらしたようで、席もど真ん中とかではなく、2階席の横の方。お帰りも一人ですたすたと全日空ホテルにはいっていらした。ちょっとだけ親近感。

今回のコンサートで唯一残念だったのが、座席が舞台の後ろだったこと。この席はおそらく初めてだったが、音が逆に聞こえるんだな。あと、管の音が大きすぎてバランスが悪いし、五嶋龍のヴァイオリンが少々固く聞こえたのは、おそらく後ろからだったからではないかな。逆に、舞台の後ろからで良かったことは、マゼールの表情がとってもよく見えたこと。あと、五嶋龍がおそらくものすごく筋肉質であろうことが背中から分かったこと笑、かな。

No comments:

Post a Comment