Tuesday, November 25, 2008

The Swell Season @ Royal Albert Hall

昨晩、映画「Once」の主役二人Glen HansardとMarketa Irglovaのコンサートに行ってきた。

久々のライブ。しかもあのOnceの二人が生で見られるので、しばらく前からわくわくしていた。ということで、やや早めに会場に到着。Last minutesで買った割にはなかなか良い席に着き、さぞ満員だろうと周りを見回したら、広いRoyal Albert Hallは7〜8割しか埋まっておらず、なんだかちょっと残念だった。

前座は二組。一組目はソロの男性でいまいち。二組目は、メインのコンサートでも弾いていたバイオリンの男性とそのバンドだったが、バイオリニストのバンドはよかったな。アイリッシュ色が濃く、良い感じだった。

前座にたっぷり2時間かけ、会場が暖まったところで、映画で使っていたあの穴空きのアコースティックギターを持ってGlen Hansard登場。最初はマイクなしで、映画のタイトルバックに流れてたSay It to Meを熱唱した。広いホールに彼の生の声が響き渡り、最初からぐいぐいと引き込まれた。実はこの曲が一番好きなので、最初から大満足だった。

その後、Marketa Irglovaをはじめバンドのメンバーが登場し、映画OnceとアルバムThe Swell Seasonの曲を次々と。コンサートの最初の方で、映画で使われていた代表曲をほぼ網羅してしまったので、後半はどうするのだろうと思っていたら、新曲とおそらくはThe Frames時代の曲を数曲演奏し、アンコール3曲も含めてたっぷり2時間楽しませてくれた。

あぁ、本当に良いコンサートだった。どの曲も心にしみる曲ばかりで大好きだったが、本当に本当に彼の歌と演奏がすごかった。特に、あの穴空きギターを一人で激しくかき鳴らした曲では、ギター一本には聞こえないぐらい、深く厚みのある演奏で驚いた。また、Marketa Irglovaは映画のままのほのぼのした感じで、Glen Hansardとの声の相性もばっちり。また、二人の仲の良さが垣間見えて、それも良い感じだった。そうそう、Glen Hansardの語りがまた面白く、心にしみると同時に笑いの絶えない、実に気持ちのよいコンサートだった。昨日のロンドンは非常に寒く、コンサートがはねた11時過ぎは氷点下かと思われるほど激寒だったが、心は温かく少し幸せに満ちてゆっくり歩いて帰宅した。

ここ数年、ライブと言えば商業的に大成功したバンドばかり観ていた。たしかにヒット曲が多く、どんちゃんした勢いで楽しいことは楽しい。でも、ライブになると演奏や歌はCDほど良くなく、それをノリとか音の大きさで誤摩化している感が否めなかった。その点、昨日の彼らは、実はCDよりも上手だったし、CDよりも心にしみた。彼らの実力と才能は、桁違い・別次元なんだな。

この映画Onceは、昨年末の精神的にどん底だった時に観て、思わず涙したほど心にしみた映画だった。その後も、折に触れてサントラ版とこのThe Swell Seasonを聴いている。私にとっては、ここでは多くは語れないが、私が現在直面しているこの酷い状況と心情を最も的確に映し出してくれる音楽と映画だ。恥ずかしい話だが、昨日のコンサートでも、Liesという曲でやはり(予想通り)涙がこぼれた。昨年末に、その問題にまさに最初に直面したときに頭の中にこの旋律が流れ、思わず口ずさんでいたことを思い出した。もう、二度とあんなことは経験したくないが、あの問題に気づくのが遅すぎたという点で自戒の意を込めて、この曲とともに今後も覚えていたいと思う。

なお、彼らは年始に日本に行くらしい。1月14日に渋谷でライブだったと思う。個人的には日にちは最悪だが、そんなことは関係ないな。私も、もしどこかでチャンスがあったらもう一度行きたい。日本在住でご興味のある方、是非是非おすすめ。

http://www.theswellseason.com/

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